昔から、王道から逸れた物を選ぶことが多い気がする。 あら素敵と自分が思う物が、人から見ると、それ・・・変わってるね・・・ということが度々ある。

アルバイトをするようになり、自分の好きに服を買えるようになった大学生の途中から私はフィーバーした。
今まで母のお眼鏡で、変!と言われ却下されるような物を自由に買えるのである。
服装がガラッと変わった。
虎柄のロングコート(友達と待ち合わせした時、一瞬で分かったと言われた)、よく分からない女の人の横顔がたくさんプリントされたブラウス、見てると具合が悪くなるようなカオスな柄のトップス・・・etc。
普通に可愛い物ももちろん好きだけど、何これ!と言うような面白い物にも惹かれてしまうため、引き出しはへんてこな柄、色の服で溢れていった。

社会人になると、そういった物達の登板は一気に減ったため、あまり買わないようにしているが、リサイクルショップ等に行くと、つい面白い物探しに血が沸く。
先日も、店内全品50%オフと近所のリサイクルショップがアナウンスしていたためふらりと入ると、80年代とかの日本の服がたくさん。
私は狩人と化した。

何だこの柄・・・と見入ってしまう、マジシャンハット(?)やら羽やらがデカデカと全面にプリントされた、肩パッド装備のブラウスとロングスカートのツーピース。
興味本位で試着すると、待ってましたとばかりにサイズが合うのである。
これを買う人は果たして私以外にいるのか・・・?
こう思ってしまうともうだめで、その服はかごに入ってしまった。

かくして、私の引き出しにへんてこな服が増えていく。
へんてこな服は安さも重要である。安くて面白いのが良いのである。
昨日のものは上下で百円也。

しかし、一体いつ着るのだろう・・・?


 掃除本を読んで、引き出しの一掃に奮起した二年前。
その本には、服を手にとって、自分がときめくかときめかないかで服を残すか決める、と書いてある。
ときめく・・・実際にやってみると、分かるようで分からない。
苦心の末考えた私は、
『気になる人(架空)と初めてのデート!さてあなたはこの服を着て行きたいですか?着て行きたくないですか?』こう自分に問いかけることにした。

すると、何ということでしょう!
引き出しはスカスカになったのです・・・!

あまり着ないけど面白いから、と言う理由で引き出しに鎮座し続けた、へんてこな服達は消えた。
デートにおける服装に、面白さは必要ないのである。

しかし、あの服達を思い出し寂しい気持ちになることがある。
よくよく考えると(普通の人はよく考えなくても)、何も四六時中デートするわけではないのだ。
それ以外のたくさんの時間に着たら良かったじゃないか。

あぁ愛しきへんてこ服たちよ、バカな私を笑って。