今朝、乗換で地下鉄に乗り込んで、ドアから外を眺めていた。
次の電車を待つ整列場所に並ぶ黒いスーツの女の子が目に入る。
旅行バッグを抱え、携帯を見ては周りをキョロキョロしている。
女の子の顔には不安と焦りの表情が浮かぶ。
隣に来た女性に話しかけたそうに見ているが、女性は女の子の視線には気付いていない。
あ、話しかける!あーー諦めた・・・!
そこらへんで電車は出発してしまった。

あの女の子を見ながら、私は涙ぐんでいた。
上京組の一人として、気持ちが痛い程分かるのだ。
私もこちらに来た当初、人の多さ、都会の喧騒、そして何より電車の乗り換えの複雑さと混雑には面食らった。
更に、入社後すぐに行かせてもらった他社との合同研修は、それは厳しくて軍隊のよう。
毎日頭痛と腹痛と眠気(・・・)に耐えながら、目の前の課題をこなすことに精一杯。
初めての一人暮らし、都会、新社会人。
朝の女の子を見て、ぶわっと記憶がよみがえってきた。
頑張ってね!偉そうに朝から思う。
あぁ春だ・・・



 いつもどこで服買っているの?と人に聞かれ頭を巡らす。
最近買ってお気に入りのものと言えば、BALENCIAGAのニット。
カシミア100%で肌触りがいい。
あとはZARAのベージュのパンツは、珍しく丈がぴったりのものがあって重宝している。
後は、恵の長めのTシャツは夏に着るのが楽しみだし、FASHION サンリカの半そでワンピも麻100%で同じく夏に良さそう。


何となくお分かりだと思うが、全部近所のリサイクルショップで買った。
BALENCIAGAのニット→300円
ZARAのパンツ→100円
恵(タグに書いてあった)のTシャツ→100円
FASHION サンリカ(タグに書いてあった)のワンピ→100円

4枚買っても600円。
これらを頭に浮かべながら、「え~どこだろうなぁ?」と言ってお茶を濁す。
会話の流れで聞いただけだろうその人はきっと、どこだっていいよ別に・・・と思ったことだろう。


ユニクロ、H&M、Forever21なども買ってきて分かったけど、新品の服はどうやっても質が値段なりだと思う。
安くてデザインも生地も縫製もいいというのは無理だと分かった。

そこで、新しさに目を瞑れば、リサイクルショップでは価格と質の逆転現象を体感できる。
ただ、探すには中々根気がいる。
くまなく見ようと思うと数時間かかりぐったりする。


あと、タグを見るのが面白い。
「〇〇洋装店 東京都渋谷区~」とか、もう最高にテンションがあがる。
サンリカのワンピースも、ブランド名の下に千駄ヶ谷と書いてある。
サンリカ 千駄ヶ谷 で検索すると出てこないけど、サンリカだけで検索すると、株式会社サンリカ さいたま市見沼区|婦人少女服製造,婦人服卸 
と出てくる。同じ所なのだろうか。
昔の物に興味がある私は、こういう所にも楽しみを見出している。
サンリカのワンピースは、値札なども付けられたままだった。
持ち主は一度も着たことがなかったのだろうか。

着られることないまま、ワンピースは押入れやクローゼットの奥で数十年の時を過ごし、2014年、リサイクルショップに他の服と並んだと思ったら、変な女がニヤニヤしながらタグや値札を見ているのである。
人生(服生?)とは分からないものですね。
ちなみにワンピースにはばっちり肩パッドがついていたので、切り取った。
それにしても、「恵」と一文字デカデカと書かれたタグを見た時は、!?と二度見して思わず笑った。
恵 ファッションブランド と検索しても引っかからない。